第104章 ネガティブニュース

有岡里穂の気の抜けた声は、まだ続いていた。西川安菜がかつて彼女を誘導した言葉――その「最初の一言」から、いくつも、いくつも。

一語一句、当時と寸分違わない。

言い終えると、有岡里穂は彼女に向かってふっと笑った。

「……今なら、思い出せた?」

その笑みだけで、西川安菜の背筋がぞわりと粟立つ。喉がからからに乾き、彼女はテーブルのアイスコーヒーを掴むと、勢いよく喉へ流し込んだ。

冷たい液体が食道を滑り落ちた瞬間、ようやく理性が少し戻ってくる。

西川安菜は俯いたまま、無理やり口角を引き上げた。

「里穂がそう考えてたなんて……思わなかった。あのとき言ったのは、里穂のことを友達だと思ってた...

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